玉川の清らかな流れと黄金色の
山吹の花の彩りなど、詩情豊かな
井手の里は、万葉の昔より平安・
鎌倉・江戸と、時代を紡いで数々の
和歌に詠まれてきました。
なかでも美しい歌声を聞かせる蛙
“かはづ”は、井手の枕詞として用
いられる程、数多く詠まれています
このあたりは玉の井と呼ばれ、
湧水がこんこんと湧き出ています。
その昔、大和路を行き交う人々は、
湧き出る清水で喉の渇きを潤すと
ともに、水辺に遊ぶ蛙の声で旅の
疲れを癒したことと思われます。

うんちく
井手で生まれた河鹿を他の場所に
移しても、その子孫はずっとよい鳴
声を保持して、他の蛙の中に入れ
ると、他の蛙は圧倒されて鳴かなく
なってしまったとの逸話もあります。

今でも河鹿がいるかというと・・・
玉川の護岸工事と、昭和28年の
山城水害でほぼ絶滅・・・。
現在、有王地区で再び河鹿蛙を
増やす努力がされているようです。